怒られる・失敗する不安

「自分の気持ちがわからない」感情を言葉にできないアレキシサイミアとは

コーヒーとペン

HSPはとても真面目で、仕事にも全力で取り組む。そして回復する間も無く仕事をし続ける。まるで病的と言えるほど仕事に没頭する。

その結果、体調不良になり心が折れて短期間で退職。というケースも少なくない。どうしてそこまで仕事にのめり込んでしまうのかな。

仕事頑張る病とHSP

HSPが仕事がんばる病になってしまう理由を考えてみよう。

  • みんなと同じようにできると証明したい。
  • 「こんなことで弱音を吐いたらだめだ。」と限界以上に頑張ってしまう。
  • 自己肯定感が低いので、誰かに認められることが価値だと思う。
  • 真面目。責任感が強い。
  • 給料や昇進という、努力の結果がわかりやすいもので満足感を得ようとする。

HSPの多くは、体調を崩しがちだったり「周囲とは何かが違う」という思いを抱えている。

そして、傷つきやすいので、誰かに迷惑をかけたり怒られることを避けようとするの。

だから仕事は「みんなと同じように、もしくはそれ以上の成果を出さなきゃいけない。」というプレッシャーに縛られてしまうんだね。

これは1つの例だけど、幼い頃に勉強や習い事で、親をがっかりさせた経験を持っていたとするでしょ。

すると、何もできないことが恐怖となり「何かができることが自分の存在価値」と思うようになる。

数字や成果(評価)という、目で見える結果に自分の居場所を見つけ出し、それを失うことが怖くなる。そして、仕事を通して自己肯定感を高めようとするの。

しかし、会社では様々な価値観の人が同じ場所で同じ仕事をしている。

「みんなの期待に答えなきゃ。会社がこう言ってるから、私はこうならなきゃ。」

そうやって考えているうちに、自分の心の声は聞こえなくなっていく。そして心身がボロボロになり、こう思う。

仕事がんばる病HSP
仕事がんばる病HSP
もっと早く、無理・できないと言えていればよかった。いつも身体を壊してから限界だったと気づくんだよね。

普通の人なら限界のずっと前で「疲れた」「やりたくない」など、自己主張ができる。(あまり疲れていなくても、疲れたという人もいる)

そして、仕事の量を減らしプライベートでストレス発散もできる。

なぜ繊細で敏感なHSPは、身体を壊してから感情に気づくのか。感情に時差が出る原因は、感情を感じる力を失っているからかもしれない。

「やりたくない」が言えないアレキシサイミア(失感情症)

HSPが「その仕事は嫌だ、やりたくない」と言えず限界を超えてしまう原因の1つに、感情を言語化できないことが考えられるよ。

言語化とは、名前をつけること。

怒ってる・悲しい・興奮してる・楽しいなど、内側から湧いてくる感情を言葉で表現することができないと「悲しいって何?」という状態になる。

アレキシサイミアとは、日本語で失感情症と呼ばれている。

言葉の印象から、無表情でロボットのような人間をイメージするでしょ。でも、そうじゃない。この説明を読んでみて。

失感情症(アレキシサイミア)はシフネオスが提唱した性格特性です。

自分の感情(情動)への気づきや、その感情の言語化の障害、また内省の乏しさといった点に特徴があると言われています。

心身症の発症の仕組みの説明に用いられる概念ですが、近年は衝動性や共感能力の欠如など、ストレス対処や対人関係を巡る問題との関連が研究されています。

〜中略〜

(心身症の患者に共通する心理的特徴は)あまり生気が感じられず、葛藤状況やフラストレーションがたまる状況では、内省したり困難に上手に対処したりするのではなく、むしろそれを避けるための行動に走ってしまうというのです。

そしてその最大の特徴は「自分の感情を表現する言葉を見つけるのが難しい」ということでした。

そこから感情を言い表す言葉が欠けていること=失感情(言語化)症という概念が出てきたのです。

引用元:厚生労働省e-ヘルスネット

アレキシサイミアの原因

アレキシサイミア(失感情症)の原因には、いくつかの説がある。

  • 右脳と左脳をつなぐ脳梁の機能不全
  • 右脳機能不全(ミラーニューロンの発達不全)
  • 生育環境(母親との関係)

つまり、先天的(生まれ持った脳の性質)要因と、後天的(生まれた後の環境)要因、どちらも可能性があるってことだね。

私の見解としては、HSPの場合は後天的要因が強いと思う。なぜなら、HSPは右脳が発達していてミラーニューロンの働きも強い。

よって、仕事で「嫌だな」「やりたくないな」という不快な感情を感じ取り、周囲に伝えるのが困難になっているの。

その結果、自分でも気づかないうちに心身は限界を超えていることになる。

アレキシサイミアがよくわかる映画【インサイド・ヘッド】

アレキシサイミア(失感情症)の特徴をわかりやすく説明しているのが、ディズニー映画【インサイド・ヘッド】だよ。

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主人公のライリーという女の子の頭の中には、ヨロコビ・イカリ・ムカムカ・ビビリ・カナシミという5つの感情が存在している。

この5つの感情が「司令部」で交互に役目を果たすことで、ライリーは人間らしい感情表現ができるの。

ある日、ライリーはお父さんの仕事の都合で引っ越しをすることになった。すると、環境の変化に5つの感情は混乱する。

その混乱の中で、ヨロコビとカナシミは、記憶のごみ捨て場(長期記憶の保管場所)に放り出されてしまう。

ヨロコビとカナシミは「司令部」に戻るため悪戦苦闘する。一方、司令部では残された感情が暴走し、ライリーは友達や家族との「思い出の島」を次々と崩壊させていくの。

そしてついに、ライリーは一切の感情を感じなくなった。

まさに、これと同じことがアレキシサイミア(失感情症)の脳内でも起こっている。だから、不快な感覚や嫌悪感をきちんと感じられない。もしくは、しばらくしてから

仕事がんばる病HSP
仕事がんばる病HSP
あのとき上司に言われたことが、すごく引っかかる。モヤモヤする。

と、感情に時差が出る。

だけど、言語化できない(名前をつけられない)から「大丈夫。まだ大丈夫。」と思ってしまうんだね。

ここで、先ほどのe-ヘルスネットから、アレキシサイミア(失感情症)の概念を確認してみよう。

  1. 自分の感情がどのようなものであるか言葉で表したり、情動が喚起されたことによってもたらされる感情と身体の感覚とを区別したりすることが困難である。
  2. 感情を他人に言葉で示すことが困難である。
  3. 貧弱な空想力から証明されるように、想像力が制限されている。
  4. (自己の内面よりも)刺激に結びついた外的な事実へ関心が向かう認知スタイル。

感情を言語化するのが困難というのは、語彙力や表現力の問題ではないの。そもそも、感情を認識することが困難なんだよ。

自己評価が低いと仕事は続かない

どんなに向いている仕事であっても、限界を超えれば体調を崩す。

ここでは、HSPやHSS型HSPが陥りやすい仕事の落とし穴について説明するね。最も注意してほしい点は、次の2つだよ。

  1. 1つのことに意識が向くと、他がおろそかになる。
  2. 集中力が、急に切れる。

HSPの特徴に深く集中することがある。だから、同時に複数のことをこなすのが苦手なの。

「この前これを失敗したから、忘れないようにしなきゃ。」と思っていると、普段できていたことを忘れてしまったり。

また、刺激を受けやすく脳が疲れやすいので、こまめな休息が必要だよ。休息を怠って集中し続けると、脳が強制終了しちゃう。

その瞬間に「あれ!?なんでこんなミスしたの!?」っていうミスをしやすい。なぜそうなったのか、自分でも説明できないようなミスを起こす。

かなり集中して、いろんなことに気を配り、失敗せず効率よく動けるように。あらゆることを観察し、頭を動かしながら仕事している人も多い。

自己評価が低いから、周囲を失望させたり、悲しませることを極端に嫌う。「使えない私は、必要ない」 と、自分で自分に高いハードルを設定してしまう。

その結果、許容量を超えて仕事を抱え込むことになる。あなたは、こんな考えを持っていない?

  • じっくり進めるのがいけないこと。
  • テキパキ動ける人が、仕事のできる人。

スピード重視、質より量。これは、仕事の世界でよく言われること。だからHSPも、いかに効率よく仕事するかと工夫するようになる。でも、これって結構ハードル高いよね。

お客様に迷惑かけないことを最優先にする。そのためなら、ゆっくりやってもいいと考えることができれば、仕事はもっと楽に進めることができるよ。

あなたの素晴らしい能力が、少しでも長く会社で発揮されることを願っているよ。