今回は、人の顔色を気にして疲れてしまうHSPのために、「境界線ー聖書が語る人間関係の大原則ー」という本を紹介するよ!
家族や同僚に気を使って、自己犠牲的に優しさを消費しているなら「共依存」の可能性があるの。
境界線(バウンダリー)を引くことで、自立した愛を感じる人生を送ることができるようになる。
「境界線ー聖書が語る人間関係の大原則ー」は、本気で境界線(バウンダリー)を引く覚悟をした人に、ぜひ読んでほしい本。
同じようなテーマを扱っている、「人間関係 境界線(バウンダリー)の上手な引き方」という本との違いも説明するよ。
どちらを購入しようか迷っている人は、目次から飛べるから参考にしてみてね。
目次
「境界線=バウンダリー」の本質と引き方の全てがわかる専門書

境境界ー聖書が語る人間関係の大原則ーは、自分と他人を区別して人間関係を豊かにする専門書だよ。
専門書と言っても、エピソードが豊富でわかりやすい。境界線(バウンダリー)についての疑問は、この1冊で全部解決できるはず。
次の項目に当てはまる人にオススメ!
- 人の顔色を気にして疲れてしまう
- 頼まれると断れない
- 流されやすい
- 自分の考えていることを話すのが苦手
- 「嫌なことは嫌とハッキリ言えたら、どんなに楽だろう」とずっと悩んでいる
HSPには「境界線が薄くて流されやすい」という特徴があるでしょ。だけど、HSP関連の本は「境界線(バウンダリー)」について、少ししか触れてない。
私も、HSPの本を読んで「境界線って結局何?」って疑問だったの。
そこで、探して見つけたのが、境境界ー聖書が語る人間関係の大原則ーだった。
辞書かと思うくらいの厚さで、読んでると腕が痛くなるんだけど。笑
家族、友人、夫婦、仕事、自分、全ての人間関係を網羅しているの。
だから、何度読み返しても新しい発見がある。環境や時代が変わっても、ずっと使える内容になってるよ。
「自己犠牲と共依存の愛」から「自立した愛」を感じる人生へ
境界線(バウンダリー)を作ると「自己犠牲と共依存の愛」から「自立した愛」を感じる人生を送れるようになる。
人は、愛に満ち献身的であろうとするばかりに、自分の限界を忘れてしまうことがよくあります。あなたも次のように思ったことはありませんか?
・限度を保ちつつ、なお愛に満ちた人であることは可能だろうか?
・私の時間、愛、エネルギー、そしてお金を欲しがる人にたいして、どう答えたらいいだろうか?
・境界線を引こうとするとき、罪悪感を覚えるのはなぜだろうか?
著者は、上記のような困難な疑問に聖書的な答えを与え、両親、配偶者、子供、友人、同僚、さらには自分自身との間に健全な境界線を引く方法を、わかりやすく解説します。
〜カバー裏面より抜粋〜
本書の副題にー聖書が語る人間関係の大原則ーとある通り、聖書がベースになっているの。
著者はアメリカで臨床心理学者として活躍している、ヘンリー・クラウドとジョン・タウンゼント。
というクリスチャンのために、
っていうメッセージが込められてる。
境界線(バウンダリー)とは、個人的な所有物囲う地境のことで、あなたがどういう人間であり、どういう人間ではないのかを定義します。
この境界線はあなたの生活全般に関わってきます。
身体的境界線:他者があなたの体に触れることが許される条件を明確にします。
精神的境界線:あなたに自分自身の考えや意見を持つ自由を与えます。
感情的境界線:自分の感情に対処し、他人の操作的な感情から自由になるよう助けます。
霊的境界線:神の御心と自分自身の意志を見分けるのを助けます。
〜カバー裏面より抜粋〜
「身体的境界線」は、DVや虐待に悩んだ経験のある人に重要な項目。
また、内面の境界線を「精神的」と「感情的」に分けているのも、HSP関連の本にはない具体的な説明だよね。
聖書の要素が強い内容でも、かなり実践的で現実的な印象を持ったのは、「霊的境界線」を盛り込んでいるから。
神の考え方を尊重しつつ、自分の意志もしっかりさせることを意識して書かれているの。だから、クリスチャンではない日本人の私も、違和感なく読めたよ。
本書では8つの境界線(バウンダリー)の種類について紹介されているの。
- 皮膚
- 言葉
- 真理
- 物理的な距離
- 時間
- 感情的な距離
- 他の人々
詳しくは、個人の境界線を作る8つの方法♡ポイントは「怖れ」の克服という記事で紹介しているよ。

「ノー」と言えないのは、日本人だけじゃなかった
境境界ー聖書が語る人間関係の大原則ーには、著者のクライアント(カウンセリングを受けに来た人)との会話が多く書かれているの。だから、聖書を読んだことがなくても理解しやすいよ。
読んでみて、「ノーと言えないのは、日本人だけじゃないんだなぁ」と世界中に仲間がいるような気持ちになった。
特にアメリカ人(って表現で合っているのかわからないけど)は、自己主張をはっきりする先入観があったから。
「ノー」と言えないことで悩んでいることにビックリ!
HSPという概念が、アーロン博士を発端にアメリカで爆発的ブームになったのも、本書を読んで納得。
最初と最後に登場するシェリーの物語は、「わかる!わかる!まさに私の状態そのもの!」と、食い入るように読んでしまった。
境界線(バウンダリー)のないシェリーとエナジーバンパイアの母親
シェリーは夕べのことを恨みがましく思い返した。可愛い娘を喜ばすために夜のうちに衣装を仕上げておくつもりだったのだ。
しかし思いがけず、シェリーの母親が訪ねて来た。
〜省略〜
なるべく愛想よくしようと、シェリーは母親に取り繕って言った。
「お母さんが急に来てくれて嬉しいわ!でも、おしゃべりしながら、ちょっとエイミーの衣装を縫ってもいいかしら?」
母親がどう反応するか想像がついていたので、シェリーは心の中で縮こまった。
「シェリー、あなたの家族の時間を邪魔するのだけは嫌だと、いつも言っているでしょう」
夫を亡くして十二年になるシェリーの母親は、未亡人としての自分の立場を殉教者の位置までに引き上げていた。
「だってね、あたなのお父さんが死んでから、私はずっと寂しく生きて来たのよ。今でも家族が懐かしいわ。だから、あなたから家族の時間を奪うなんて、そんなことが私にできると思う?」
(すぐにわかるわ…。)シェリーは心の中でつぶやいた。
p13〜p14
まさに、エナジーバンパイアなお母さん。
いつも突然、シェエリーの家に押しかけてくるみたい。自分の家で、しかも実の母親。逃げ場がないね。
家族の時間を大切にしてと言いつつ、お母さんの演説は、さらに続く。
「だから、どうしてあなたがウォルトや子供たちと一緒に会いに来てくれなくなったのか、私にはわかるのよ。
私なんか退屈ですものね。子供に人生を捧げ尽くした、ただの孤独なお婆さんなんだから。誰も私なんかと時間を過ごしたくないのは無理もないわ」
「違うのよ、お母さん、そうじゃないの!」
シェリーは大急ぎで言った。母とはこのような感情のやりとりが何十年も続いていて、メヌエットを踊り続けているようだった。
p14
お母さんの言動に違和感があるのに。大事にしたい予定があるのに。
「ノー」と言えない。
シェリーのその後
境界線(バウンダリー)を引くことに成功したシェリーのエピソードは、最後にもう一度登場する。
たとえば先日の晩も、シェリーの母親が前ぶれなく突然訪ねてきた。
ちょうどシェリーが息子のトッドと科学プロジェクトの発表会の準備をしなければならない時間だった。
シェリーにとっては、これが一番言いにくいことの一つだった。
「お母さん、私もお母さんとおしゃべりがしたいのだけれど、今はちょっと都合が悪いのよ。トッドが太陽系に関するプロジェクトを仕上げるのを手伝っていたところなの。
かかりっきりになると思うわ。よかったらあがって見ていってもいいけど、そうでなければ明日私から電話するから、その時次に会う時間を決めましょうよ」
p472
ドキドキだよね!!
境界線(バウンダリー)を引くことができると、明確に自分の意志を伝えつつ、代替え案も出せるようになる。
さぁ、エナジーバンパイアのシェリーの母親はどう出るのか?
母親はいい反応を示さなかった。彼女の「殉教者症候群」はたちまち全開となった。
「ええ、ええ、よくわかっていましたよ。孤独な老人と時間を過ごしたいと思う人なんていやしないのよ。
うちに帰ってひとりぼっちになるわ。いつものようにね」
かつてのシェリーなら、この巧妙な「罪悪感」の猛攻撃に折れていただろう。
しかし支援グループの仲間との多くの練習を通して、母親の突然の訪問にどう対処するか、シェリーは心を決めていた。
そして、もはやそれほど罪悪感を覚えることもなかった。
母親は次の日になれば大丈夫なのだし、シェリーも夜をゆっくりすることができるのだから。
p472
境界線(バウンダリー)の効果ってすごい!
注目する点は、お母さんの反応は何も変わってないこと。
シェリーの考え方や物事に対する見方が変わっただけで、彼女は自分の人生の主役になれたの。
境界線(バウンダリー)に関する「神話」と「真相」
境界線(バウンダリー)の専門書だけあって、痒い所に手が届く内容が本当に多い。
第6章では、「境界線に関する神話」として、誤って認識されている情報について説明しているの。
神話とは、真実に見せかけた作り話であるとも言えます。
p166
解説してくれる「神話」は次の8項目
- 境界線を引くことは自分勝手である
- 境界線は不従順のしるしである
- 境界線を引き始めると、人に傷つけられる
- 境界線を設定すると、他人を傷つけてしまう
- 境界線は私の怒りを表す
- 他者が境界線を設けると私が傷つく
- 境界線は罪悪感を生み出す
- 境界線は恒久的であり、他者とのつながりを切ってしまうのが恐い
この8つが神話。つまり、真実に見せかけた作り話だってこと!
ひとつずつ説明すると長くなるから割愛するね。
私も、境界線(バウンダリー)を作る前は、まさに神話通りの不安を抱えてた。だけど今は、本当に神話でしかなかったなと思う。
以前抱いていた「境界線」のイメージは、融通が効かなくて好き嫌いの激しいわがままな人って感じだった。
今は、しなやかで柔軟性がある、ありのままを受け入れられる自由な人って感じ。
本気で境界線(バウンダリー)を引く覚悟をした人に読んでほしい
境境界ー聖書が語る人間関係の大原則ーは、専門家のセミナーを丸1日かけて受けたのと同じくらいの情報量があるの。
1から10まで全部書いてある。だから、本気で境界線(バウンダリー)を引く覚悟をした人には、ぜひ読んでほしい。
専門書だけあって、値段も2,400円+税と高め。だけど、具体的なエピソードが豊富で読みやすいし、値段だけの価値があると感じたよ。
イメージ的には、ナポレオン・ヒルの「思考は現実化する」のような本質を書いた本。
「人間関係 境界線(バウンダリー)の上手な引き方」との違い

もう少し気軽に、入り口の部分だけ知りたい人は、人間関係 境界線(バウンダリー)の上手な引き方という本もあるよ。
日本人が書いた本だから、文章的にも読みやすい。
ただ、個人的には「HSPには物足りないんじゃないかなぁ」と感じた。
よくあるテクニック本という印象で、「あと1歩!もう少し具体的に教えてよ!で、だからどうすればいいの?」と思っちゃた。
私が心理学好きで、根本的なところから理解したい派っていうのも、あるかもしれないけど。
境境界ー聖書が語る人間関係の大原則ーはフレンチのフルコース。本屋さんで在庫がないところが多いから、入手しづらいのがネックではある。
人間関係 境界線(バウンダリー)の上手な引き方はファミレスって感じ。
読書が苦手な方や、あまり時間が取れない方、まずは概要を把握したい方にはいいかも。
まとめ
境境界ー聖書が語る人間関係の大原則ーは、境界線(バウンダリー)の引き方について丸ごとわかる本。
人の顔色を気にして疲れてしまうと、本来やりたいことが後回しになっちゃうよね。
境界線(バウンダリー)を引くことで、時間的、金銭的、精神的な自由を得ることができるようになるよ。
本気で取り組みたい人は、ぜひ読んでみてね!