天職・適職

大人のギフテッドが仕事で居場所を見つける方法

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この記事の目的は、高い能力を持つことで社会に居場所を見つけられない大人が、ギフテッドの概念を知ることで、才能を開花するきっかけを作ること。

一般には理解されにくい内面を持つ人が、能力を発揮し仕事を通して居場所を作るにはどうしたらよいのか?

というテーマを深掘りするよ。

今回扱うこと

  • ギフテッドの定義、種類について
  • 能力の峰と谷を持つとは?
  • ギフテッドの独特な認知特徴「視覚優位」「聴覚優位」
  • ギフテッド=HSPなのか?
  • 高い能力を社会で開花させる方法

今回扱わないこと

  • 教育的支援
  • ギフテッドの適職
  • ギフテッドが働きやすい環境

参考にするのは、杉山登志郎・岡南・小倉正義による著書▷ギフテッドー天才の育て方ー

タイトルにした「仕事で居場所を見つける」とは、社会参加を通して生きがいを感じる生活を送ることだとイメージしてね。

それじゃあ、始めよう!

ギフテッドとは

まずは、ギフテッドという用語の定義を確認しよう。

ギフテッドとは、同世代の子供と比較して並外れて突出した能力の持ち主のことだよ。アメリカを始めとする海外では、ギフテッド専門の学校もあるの。

ギフテッドの対象になる能力は多岐にわたり、数学的思考、記憶力、芸術センスなども含まれる。

この能力については、後で詳しく説明するね。

日本でギフテッドが扱われるときは、「天才・秀才・英才」などの言葉が使われる。

ギフテッド (gifted)は、贈り物を意味する英語の「ギフト (gift)」 が語源であり、神または天から与えられた“資質”、または遺伝による生まれつきの「特質」と言える。「ギフテッドの才能を伸ばす」という言い方はできる。しかし「こうすればギフテッドになる」とは言わない。

ギフテッドは早期教育や、他人よりも早く多く習得する先取り学習によってギフテッドに成長するようなことはない。ギフテッドは自ら常に多様な「知的刺激」を切望して満たし、自分の好みの学習方法で、自分の興味のある分野を極めて深く掘り下げて探求する傾向にある。

引用:Wikipediaーギフテッドー

ギフテッドの基準は時代とともに変化している。一部では、知能検査でIQ130以上という基準がある。

だけど、「ギフテッド=高IQの持ち主」ではない。学校の成績や知能検査だけでギフテッドの能力を判定することはできないの。

現在は知能検査の他に、創造力や芸術性など多方面から判定することが一般的になっているよ。

ギフテッドの種類

ギフテッドを単純に「頭の良い子(高IQの持ち主)」と定義できない理由は、能力にたくさん種類があるから。

ギフテッドー天才の育て方ーでは、次の4つに分類されると書いてあるよ。

  1. 英才:高い全体的知能
  2. 峻才:高い創造性
  3. 峻才:著しい能力の凹凸
  4. 芸才:芸術的能力

それぞれの特徴を説明するね。

英才:高い全体的知能

IQ130以上は、3〜5%の子どもに認められる。さらに特に高い知能IQ145以上を持つ子どもは、0.1%いる。

IQテストの方法には様々あって、標準偏差という統計の使い方によって数値が異なるのね。ここでは、詳しい説明は省いて単純に「IQ」という表記で統一するよ。

高い全体的知能を持つ人の特徴は、

  • 高い知的好奇心
  • ことばや観念に魅了される傾向
  • 完全さや正確さを求める傾向
  • 知的刺激の希求
  • 妥協しない傾向
  • 内省的傾向

などが挙げられるよ。

高い全体的知能を持つ人は、峻才や芸才を持つ人と比較すると、社会性そのものが高いことが多い。

だけど、学校の勉強では他の子との差がありすぎて、いじめや嫉妬の対象になりやすい。

ギフテッドー天才の育て方ーでは、彼らのことを「英才」と呼んでいるよ。

峻才:高い創造性

多くの研究の中で、創造性こそがギフテッドの中核と考えられているの。

高い創造性を持つ人の特徴は、

  • 多くのアイディアを短時間に得る
  • 新しいことばや概念を生み出す
  • 異なった領域のものを結びつけて新しい発想を得る
  • アイディアをちみつに検討する

などがある。

高い創造性を持つ人は、子ども時代からその傾向が見られる。だけど、知的な能力が必ずしも高いわけではない。

ギフテッドー天才の育て方ーでは、彼らのことを「峻才」と呼んでいるよ。

「峻才(しゅんさい)」とは、杉山先生らの造語で、峻険な才能という意味。(峻険:山などが高くけわしいこと)

特に創造性と才能の峰をもつ人を指す。才能の峰についての説明は後述する。

峻才:著しい能力の凸凹

著しい能力の凸凹とは、2E(twice exceptional children=二重に例外的な子ども)のこと。

単に知的に高い能力だけでなく、才能を持ち、さらに発達障害も持つので「二重に例外」と表現される。

2Eのグループは学習障害や広汎性発達障害に多く認められる。

著しい能力の凸凹を持つ人の特徴は、

  • 能力の高い峰もあれば深い谷もある
  • 非常に狭いが深い認知視野を持つ(認知の局所優位性)
  • 学業成績では大きなばらつきが起こる

などがある。

このタイプは能力の差が激しく、高い部分も低い部分も悪目立ちしてしまう。

今回のテーマである一般には理解されにくい内面を持つ人が、社会で居場所を作る方法のヒントが、まさに2Eの「能力の峰と谷」を知ることにあるの。

芸才:芸術的能力

高い芸術的能力を持つ人を、タレンテッドと呼ぶよ。タレンテッドは、ギフテッドの1種ということだね。

絵画や音楽、踊りや文章などで高い能力を発揮する。

芸術的能力は、日本でも既に評価されているので、ここでは割愛するね。

ただし、タレンテッドにも苦悩があったり、見た目に特徴があったりする。個人的に興味があるから、別の機会にお話する。

能力の峰と谷を持つとはどういうことか?

ギフテッドー天才の育て方ーでは、全体の7割ほどを「能力の峰と谷」についての説明に費やしているの。

著者らは、大きく開いた能力の差を山に例えて、高く突出している峰と、低く沈んでいる谷という言葉で表現している。

能力の峰と谷の両方を併せ持つ人は、広汎性発達障害の診断基準を満たすことも多い。

神経心理学の視点から、特に成人に至った知的に高い自閉症圏の発達障害を見ると、前頭葉の機能である実行機能(予測を立てたり、類推をしたり、先読みをしたりする能力)の障害と、連合野の働き(一つの分業の領域と別の分業の領域をいっしょに動かす働き)の苦手さが際立っている。

つまりそれぞれは優秀に働く脳の分業システムが勝手に動くのであるとすると、能力の峰と谷が生じやすく、2Eの形を取ることになるわけである。

ただし広汎性発達障害は、その名まえのごとく、広範にさまざまな領域の問題が生じるのであって、連合野だけの問題で説明することはできないことも確かである。

引用:ギフテッドー天才の育て方ー第二章p28

脳のシステムが独特な働きをすることで、能力の峰と谷ができるということだね。

ここで注目したいのは、発達障害にも軽度から重度まであるということ。

発達障害の診断基準として、「社会的な適応が損なわれていること」が挙げられる。従来の発達障害とは、発達の凸凹に適応障害が加わった場合のことなの。

発達の凸凹はあるけど、社会生活をなんとかこなしている人は、従来の医学的な診断のみで判断した場合、発達障害からは除外されてしまう。

いわゆるグレーゾーンの人たちは、公的なサポートの対象外になってしまうのが現状なんだね。

アスペルガー症候群の偉人たち

アスペルガー症候群とは、知的な遅れのない自閉症グループ(高機能広汎性発達障害)のこと。

ギフテッドー天才の育て方ーの中で、歴史上の偉人や偉大な科学者とアスペルガー症候群の関係性を記した単行本「アスペルガーの偉人たち」について触れている。

アスペルガーの偉人たちでは、以下の人物がアスペルガー症候群であったとして挙げられている。

  • ミケランジェロ
  • ニュートン
  • シモーヌ・ヴェイユ
  • バートランド・ラッセル
  • アインシュタイン

著者は、この人名リストには頷ける部分と、そうでない部分があると言っているの。

もしここに挙げられ者がすべて、現在に生きているとすると、アスペルガー症候群あるいは高機能広汎性発達障害という診断になったのであろうか?

実は、その答えははっきりしていて、「診断にはならない」のである。

なぜかというと、前章ですでに述べたように、現在用いられている国際的診断基準において、発達障害に関しては非常に慎重な規定があり、「社会的な適応に障害があること」が診断を下す条件となっているからである。

少なくとも、この本に登場する人々は、対人的な社会的問題はさまざまに抱えていたとしても、いずれもその当時の世では大活躍をし、適応障害とはとても言えないのである。

引用:ギフテッドー天才の育て方ー第二章p29

これを書いていて浮かんだのは、医学的に診断される「社会に適応している状態」とは、どんな状態を指すのかわからないということ。

程度の問題なんだろうけど。

心の問題も、どこからが病気なのか?と言えば、「生活に支障が出ている場合」と答える。

例えば、大量の食料を食べてしまう過食症も、心の持ちようで「ただの食いしん坊」になるか「摂食障害」になるか変わってくる。

さらに、過食嘔吐だった場合も、仕事中に嘔吐の衝動に駆られて早退を繰り返しクビになってしまうとか、出勤拒否になるなら、摂食障害。

だけど、食べ過ぎて気持ち悪くて会社を早退して、楽になりたくて自宅で自ら吐いたけど、1日寝たら回復したから普通に出社できるなら、ただの「食いしん坊」になる。

同じ症状でも、受け入れてくれる環境であれば適応していることになる。適応しているかどうかって、そういう「環境的要因」に左右されるのでは?と思っている。

私自身が適応障害と言われて、心療内科に通っていたから。

適応しているとか、適応に障害があるとかの基準が、未だによくわからない。そんなもので、私たちの生きづらさを素通りしないでよって思っちゃう。

そんな私の声が届いたかのように、杉山先生はアスペルガー症候群の中でも適応的なタイプについて説明してくれていた。

適応型アスペ=アスペA型

明らかにアスペルガー症候群だけど、社会的な適応障害だけが見られないタイプがいる。

例えば、友達は少数と薄く長く付き合うとか。ふたつのことを一度に行うのが苦手だけど、自分のペースで仕事をすることができるとか。

このように、適応的なグループを適応型アスペ=アスペA型としている。

(アスペという呼び方が差別的なのか疑問だけど、ギフテッドー天才の育て方ーでの表記をそのまま使用)

Aとは、adjustable(適応的)の頭文字。

杉山先生によると、コンピュータ関係の技術者や大学教授、法律家、医師や教師の中にも存在するという。そして、彼らは発達凸凹ではあるけど、発達障害ではない。

このグループは、自閉症圏の認知の特徴をむしろ活用している人もあり、また他者をそっくりまねることで適応的にふるまうことも可能であり、一概にハンディキャップを持つとは言いところがある。

しかしながら、それでも生きにくさを感じていたり、自分がほかの人の気持ちをくめないこと人知れず悩んでいたりする。

引用:ギフテッドー天才の育て方ー第二章p34

「他者をそっくりまねることで適応的にふるまう」という文章を読んで、村田沙耶香さんのコンビニ人間が浮かんだ。

主人公の女性が、まさに異常さを隠すために周囲の人間の振る舞いをコピーしていたの。

このブログでも【HSPにオススメの4冊】仕事や人間関係に役立つ本として紹介しているよ。

社会に適応するとはどういうこと?

杉山先生が診てきた相談者の現状によって、精神科医やカウンセラーが言うところの「社会に適応する」の基準が見えてきた。

自閉症圏の発達障害では、適応状況(転帰=病気が進行して行き着いた結果)を次の3段階で評価する。

  1. よい(良好)
  2. まあまあ(準良好)
  3. よくない(不良)

良好とは、ほぼ健常者と同等の生活をしている者。

準良好とは、多少のサポートを受けているがそれによって健常者に近い生活をしている者。

不良とは、日常生活において大きなサポートが必要である者と定義されている。

引用:ギフテッドー天才の育て方ー第二章p35

杉山先生が過去に診断した18歳以上の101名のうち、良好45名、準良好37名、不良19名。実に8割が適応的なグループに属することになるそう。

さらに、101名のうち就労者は44名。

つまり、カルテを作成する必要があるほど、顕著な問題を抱えているアスペルガー症候群の人でさえ、8割は社会に適応する「アスペA型」であり、半数近くは企業に就労しているの。

A型以外の分類は?

杉山先生は、高機能広汎性発達障害の対人関係における適応状況を「血液型」に例えて4つに分類しているよ。

  1. アスペA型(Adjustable type)
  2. アスペB型(Bothersome type)
  3. アスペO型(Odd type)
  4. アスペAB型(Abused type)

これ読んで、そのままじゃん!と思っちゃった。笑

A型以外のどんな特徴があるのか、簡単に説明するね。

アスペB型(Bothersome type)=困った

Bothersomeは「困った」を意味し、問題行動を起こすことがある非社会的な群のこと。

不適応型の高機能広汎性発達障害がこれに当てはまる。

驚くことに、未診断、未治療でとても優秀な人の中に散見されるタイプなんだって。

アスペB型の特徴は、人の話を全く聞けないこと。自分のこだわりが強くて、我を通すことができる。

何も知らない人が見たら、暴君、俺様、自分勝手…だけど仕事はできる!みたいな印象を持たれる人たちだね。

アスペO型(Odd type)=奇異な

Oddは「奇異な」を意味し、健常者から見るとおかしな行動が目立つ群のこと。奇異だけど、そこそこやれるタイプ。

悪意なく、頑張って社会に合わせようとした結果、空回ってる感じかな。

社会に適応しようと努力しているのに、なぜか人から笑われたり、非常識だと言われちゃう。

適応状況でいうと、準良好の人たちにアスペO型が多い。

アスペAB型(Abused)=迫害された

Abusedとは、迫害されたという意味。周囲から迫害される経験を重ねて受けることで、被害的な状況が固定してしまった群のこと。

法に触れてしまう行為や、事件を起こしてしまう。

サバイバーと呼ばれる人たちの中には、アスペAB型に属することがあるかもしれない。

ギフテッドの独特な認知特徴「視覚優位」と「聴覚優位」

さて、基本的なギフテッドの概念について整理できたところで、次からは峻才の特徴である「非常に狭いが深い認知視野を持つ(認知の局所優位性)」について見ていこう。

著者は、1999年に主催の日本発達障害学会を開催した。その際、ゲストにテンブル・グランディンという高機能自閉症の女性を招待した。

彼女は、非常に高い知能を持ちながら、多くのハンディキャップもあるの。

グランディンは自分のことを「視覚でものを考える人間(visual thinker)」と呼んでいるよ。

視覚でものを考える人間は、言語の理解や認知にハンディキャップがあって、ことばを視覚的なイメージに置き換えて初めて把握できるという。

彼女は、どんな複雑な物体も頭の中でどの角度からも三次元の形としてみることができるんだって。

ギフテッドー天才の育て方ーを読んで、まず面白いなと感じたのが、2種類の認知の特徴。

  • 視覚映像優位型
  • 聴覚言語優位型

杉山先生らは、この認知の特徴について研究していて著書の中で考察を述べているの。

世の中の一部の人には、幼い頃から視覚あるいは聴覚に強い認知特徴を持っている。

視覚映像優位型とは、視覚からの理解や記憶を得意とする認知特徴。映像を脳内で自分なりに変換させて、理解を深めていく。

聴覚言語優位型とは、聴覚からの理解や記憶を得意とする認知特徴。映像よりも、文章を読んだり説明を聞くことで理解を深める。

それぞれの認知特徴を詳しく見ていこう。

心理学用語での「認知」とは、外界からの刺激を認識して、脳で処理し理解するという意味で使われるよ。

視覚映像優位型は三次元からの情報処理が得意

視覚映像優位型の認知特徴を持つ人は、絵を見て物事を理解するほうが文字を読むより得意なの。

杉山先生は、『種の起源』を著したチャールズ・ダーウィンが、自閉症圏の視覚映像優位型に当てはまるとして、説明しているよ。

ダーウィンのような動きを伴う映像記憶の場合には、時制も加わり、時には一つの映像の周囲が少しずつ広がりをもって鮮やかに思い起こされるというように、記憶の増幅があるので、別の表現になるだろう。

ダーウィンは、幼少時の記憶と大人になってからの記憶の明瞭度が同じだったことを記述している。

引用:ギフテッドー天才の育て方ー第三章p49

視覚映像優位型は、三次元からの情報の入力が得意で、映像を使って思考する。記憶の特徴として、色彩豊かに場面を思い出すことができることが挙げられる。

文章を読みながら、同時に頭の中で映像が流れる。

日本の教育では、教科書の文字を読んで黒板の字を書き写す「言語による知識習得」がメインになっている。そういった環境では、視覚映像優位型のギフテッドは能力を活かしきれない。

思考する際に言語をあまり用いずに、映像による思考を得意とする視覚優位型の認知特徴を持つ子どもが存在する。

中略

ところが、映像思考を得意とする子どもたちは、言語能力が弱いにもかかわらず、視覚的認知や空間認知に関する能力は優れていることが多い。

映像思考がゆえに一挙に高速で本質的な理解を得ることが可能な場合も少なくない。

中略

聴覚からの入力が苦手という中には、言語面での記憶が不明瞭であり(拾いが粗い)、かつ蓄積が少ないため、話を聞きながらも理解不能状態となる場合や、音の弁別ができない、あるいは入力される音の微調整ができない場合、さらに常時耳鳴りが続いている場合などがある。

引用:ギフテッドー天才の育て方ー第四章p62〜p63

これって、HSPの特徴とすごく似ているよね。

個人的には、言語の拾いが粗いとか、入力される音の微調整ができないとか、すごくわかる!!

私は視覚映像優位型なんだろうなぁ。

聴覚言語優位型は二次元からの情報処理が得意

聴覚言語優位型の認知特徴を持つ人は、説明文を読んだり言葉を使った説明で物事を理解するのが得意。

杉山先生は、聴覚言語優位型のモデルとして、『自閉症だったわたしへ』の著者ドナ・ウィリアムズを挙げているよ。

ドナは、色や光を調節できるメガネをかけることで、一度に全体の「映像」として処理できるようになった。

わたしは、窓の向こうの庭を見た。これまでのように木から木へ、茂みから茂みへ、目を移すのではなく、一気にすべてが目に入ってくる。

ひとつの完全な庭として、一枚の絵のように全部見えるのだ。いや、それはもう「絵」以上のものだった。そこは、ひとつの「場所」だった。

中略

これまでわたしは、世界にはさまざまな深さと奥行きがあって、自分が動くことでそれを感じると習ってきたが、実際にそうした深さや奥行きの変化を感じたことは、一度もなかった。

引用:ギフテッドー天才の育て方ー第五章p72

ドナは、色の濃淡や光の強弱の認知に障害があり、世界を立体的に見ることができなかった。

一方で、聴覚からの処理が得意だから、学校の成績では問題が浮かんでこないことも多い。

ギフテッド=HSPなのか?

ここまで読んだ人は、ギフテッドとHSPの特徴にたくさんの共通点があることに気づいたはず。

ところが、ギフテッドー天才の育て方ーを読むと、大枠は別物だとわかる。

ギフテッドの中に、HSPはいるだろうし、逆もあるはず。アスペA型と呼ばれる高機能広汎性発達障害を持つHSPもいるだろう。

社会に適応できるギフテッド=アスペA型=適応的な高機能広汎性発達障害=HSP

という図式も考えられる。私としては、

  • ギフテッドでありHSPでもある
  • ギフテッドのみ
  • HSPのみ

この3種類が存在するんだろうなと感じた。

HSPは、右脳の働きが活発で、刺激を素早く深く処理する人たちのこと。よって、聴覚や視覚が一般的な人よりも敏感に働く。

ギフテッドもHSPも、高度に処理する脳を持つことで、他の部分に代償を払っている共通点がある。

大人のギフテッドが仕事で居場所を見つけるには

ギフテッドの中でも、能力の凸凹がある2E(峻才)は、どうしたら仕事を通して社会で居場所を見つけることができるのか。

最初にもお伝えしたけど、この記事で言う「仕事で居場所を見つける」とは、社会参加を通して生きがいを感じる生活を送ること。

ギフテッドの子どもであれば、教育的支援を受けることで能力を開花するチャンスがあるかもしれない。

だけど、既に大人になってしまったギフテッドは、自分で能力を見極めて磨いていく努力が必要になる。

そのため、これから紹介するのは、単純に職業に就くとか、仕事にありつく手法ではない。能力の峰と谷を理解し積極的に利用していくために必要なことを伝えるね。

高い能力を社会で開花させる方法

ギフテッドー天才の育て方ーでは、峻才児への教育的支援の方法が書かれている。

こちらは、大人が子どもに対して、どんな教育をしていくか?という視点だけど、このブログの読者さんはギフテッド当人と、それを支える大人の2つの視点で考えてみてね。

「ギフテッド(自分)を育てる立場だったら?」というイメージが大事だよ。

紹介するのは、2Eへの介入に使用され効果的であるとされたプログラムの内容。

  1. 能力や才能の伸長に注目する
  2. 一人ひとりの能力を評価し、その能力に合った支援環境を提供する
  3. 基本的なスキル指導と同じように、学習上の困難を補うことができるような方法を与える
  4. 自分の得意なことと苦手なことを意識できるようになり、その得意なことと苦手なことの間の大きな差をうまく扱えるよう支援するべきである

特に大事なのは、能力や才能の伸長に注目することと、得意なことと苦手なことを意識できるようになり、自分で差をうまく扱えるようになること。

このふたつについて、具体的に説明するね。

能力や才能の伸長に注目する

簡単に言うと、能力の峰に注目するってことね。

日本の学校での一般的な学習方法は、苦手な部分に対して反復を続けて学習する方法がとられている。

苦手なことから逃げるとか、能力の谷は放置していいってことではないよ。優先順位の問題。

苦手な部分を消すことばかりに意識が向いて、得意なことを伸ばすことに時間が使えなくなってしまうのはもったいない。

これらのことを考えると、

①自分がどのようなことが得意なのか(どのような才能の峰があるのか)

②自分の得意なことはどのようにしたら伸ばせるのか(どのように才能の峰を伸ばしていくのか)

③自分の得意なことをして得られた成果はどのようにしたら認められるのか

について、指導者は峻才児たちと共に積極的に取り組むことが求められよう。

引用:ギフテッドー天才の育て方ー第八章p143〜p144

「峻才児と共に」という言葉がキーワード。

能力を開花させたギフテッドは、何もせずに支援を受けたわけじゃない。

周囲の人が自動的に必要なものを用意してくれたり、エスパーみたいに意思を汲み取ってくれることを期待していては、大人のギフテッドとしての能力を開花させることはできない。

周囲が用意してくれるのは、あくまでも「支援」であって、能力を磨いていくのは本人だということ。

ギフテッド本人が、自分が何をしたら楽しめるのか?何なら突き詰めていきたいと思うのか?を見つける意識を持つことが大事。

子どものギフテッドであれば、親が才能を見抜いて必要な環境を用意してくれるかもしれない。

大人になったギフテッドは、自ら能力を見極めて伸ばしていく環境に身を置くことが必要になる。

苦手なことがあるのはダメなことだと思い込んで、隠すことに時間を使うより、得意なことを探して伸ばすことに時間を使う方が、能力の峰を持つギフテッドには最適だということ。

また【HSPにオススメの4冊】仕事や人間関係に役立つ本の話だけど、この記事で紹介した発達障害の栗原類さんも、著書の中で同じようなことを言ってた。

できないことは、ムリせず、対処法を見つける。

周りの人に自分のクセを伝え協力を依頼する。

発達障害の僕が輝く場所を見つけられた理由は、一度読むことをオススメするよ。

得意なことと苦手なことを意識できるようになり、大きな差をうまく扱えるようになる

もう、全部のまとめのような一文だね。

栗原類さんの言葉にもあるように、できないことはムリしないで対処方法を見つける。

自分の得意な部分と苦手な部分を知ることで、より自分の才能を伸ばすことができるようになるからであると思われる。

また、苦手な部分を知ることで、失敗しそうなことに対する事前の対処もある程度できるからかもしれない。

引用:ギフテッドー天才の育て方ー第八章p150

差をなくそう、縮めようとするのではなく、うまく扱えるようになる。

うまく扱うとは、

  • 人に助けを求める
  • 被害が出ても最小限に抑えられるよう工夫する
  • フォローできるツールを探す

みたいなこと。

そのためには、得意なことと苦手なことを日々の生活の中で細かく意識すること。

映像で記憶するのは得意だけど、言葉での説明は苦手とわかったら、メモするのではなく動画を撮るようにするとかね。

仕事に就くとき、さらに業務を進めていくうえで、得意なことと苦手なことを把握しておくと、大きなアドバンテージになるよ。

まとめ

今回は、ギフテッドー天才の育て方ーを参考に、高い能力を持つ人が社会で居場所を見つけるヒントを探してみたよ。

この本を読んで、能力を開花させるには、それが能力だと認めて磨いていくことが必要だと感じた。

本当に当たり前のことなんだけどね。

あまりにも能力の差が大きいと、みんなができているのに自分だけできないことを「劣っている部分」と感じて、本来の優れている部分が薄まっちゃう。

出る杭は打たれる環境にいると、能力の峰があると周りから浮いちゃうし、いじめられるというマイナスなイメージになるよね。

大人のギフテッドとしては、能力を認めてくれる人や場所を探すと同時に、自分自身が能力の峰を認めて磨いていく努力をすることが大切だと思った。

みんなも、自分が得意なこと・苦手なことを一度整理してみてね。

それじゃあ、またね!

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