こんにちは、ももかです。
この記事では、HSPについて調べていくと多くの人が抱く3つの疑問について、簡単にわかりやすく解説します!
今回取り上げる疑問とは、
- HSPの繊細さは遺伝なの?
- ひとりで過ごすのが好きだけど、「人が嫌い」って言われるとしっくりこないよ?
- 心を病む原因はHSP気質って本当?
この3つです。
HSPの繊細で敏感な気質は遺伝なの?
まず、最初の疑問。
答えは「イエス」
これは、アーロン博士が断定しています。
でも、繊細さや敏感さが増すような特定の遺伝子はありません。だから博士は、「Highly Snsitive Person(とても敏感な人)」と呼ぶことにしたのです。
HSPの特徴は、生まれつき右脳の血流量が多く、刺激に対して大きく反応する脳を持っていること。
あなたの両親や親戚の中で、この気質に当てはまる人がいるはず。だからといって、全員が同じ性格になるわけではありません。
親子でも一人ひとり顔が違うように、性格は経験が作り上げるからです。また、性格は年齢とともに変わりますよね。
つまり、繊細さは遺伝だけど、「内向的」や「人見知り」という性格は生まれつきではないということです。
遺伝に関連した疑問で、少し余談です。
答えは「ノー」
そもそも、アーロン博士が繊細な人を研究する前に、心理学者のユングという人が「内向型」について研究していました。
アーロン博士は、ユングの提唱した「内向型=内気で臆病で寡黙」というイメージに疑問を抱いて、独自の研究を開始したのです。
そして、HSPの研究を進めていくと「外向的」なタイプがいることがわかりました。むしろ、この外向的なタイプの存在がHSPという概念を確立させる軸となったのです。
HSPの中には外向型もいる。非HSPの中にも内向型もいる。だから、HSP=内向的ではありません。
ひとりが好きだけど、「人が嫌い」は違う気がする
HSPによくある疑問のふたつめは、人間関係についてです。
HSPはひとりで過ごすのが好きです。もしくは少人数で行動する方が安心します。だけど、人が嫌いではありません。
大勢でワイワイ過ごす環境は苦手だけど、少人数で集中できる環境なら心から会話を楽しめます。
なぜなら、HSPが反応しているのは人そのものではなく、声の高低、部屋の照明、雑音といった『刺激』だからです。
例えば、居酒屋さんでの飲み会には、次のような刺激が存在します。
- 来客を知らせるドアの音楽
- 店員さんの「いらっしゃませ!」という元気な声
- グラスやジョッキを合わせる音
- メニューが入ったときの「ピーピー」という機械音
- タバコの臭い
- 隣のテーブルの話し声
- 宴会客のコールを叫ぶ声
- 油っぽいベタベタした床
- 空調
- BGM
これらは、大きな刺激を好む非HSPには心地よく感じるもの。賑やかな場所でエネルギーを充電できる人もいます。
だけど、些細な刺激にも反応してしまう脳の持ち主は、短時間で疲れてしまうんですね。たとえ大好きな人との食事でも、心から楽しめなくなってしまいます。
人嫌いではなく少人数で静かに過ごすことを好むだけ。心の深い部分での会話が大好きなんです。
心を病む原因がHSP気質って本当?
HSPによくある疑問。最後は精神的な問題との関係について。
答えは「ノー」
アーロン博士は、著書で次のように語っています。
大きな問題のない小児期を送ったHSC(Highly Snsitive Child/とても敏感な子)が、不安や抑うつ状態、臆病な性格になる割合は、HSCでない子と差がない
引用:ひといちばい敏感な子
つまり、HSP気質とは生まれつきのものだけど、繊細さや敏感さが性格として強く現れるかどうかは、幼少期の環境にあるということ。
また、家族がすでに不安障害であるなど特殊な場合を除いて、青年期の不安は幼児期の内気さとは無関係ということが、いくつかの研究でわかっています。
内向型の研究をしている、ハーバード大学のケーガン教授は内向型人間の時代で、
刺激に鋭く反応する乳児の90%は、大人になって慢性的なストレスや不安を抱えていない
引用:内向型人間の時代
と話しています。
つまり、繊細で豊かな感受性が必ずしも心の病気に直結するわけではないのです。
非常に複雑な考え方ですが、タバコと肺がんの関係性を想像すると、わかりやすいでしょう。
タバコを吸う人が全員肺がんになるわけではないですよね。ところが、肺がんになる人の共通点はタバコを吸うことです。
HSP気質を持つ人が必ず心の病気になるわけではありません。
しかし、心の病気になる人の共通点に「ストレスを溜めやすい、セロトニンの分泌が少ない」などがあります。
これらはHSPの特徴と共通する部分であり、心の病気の原因になり得ると言えます。
まとめ
最後に、まとめです。
- HSP気質は遺伝。繊細さや敏感さがどう性格に反映するかは、育ってきた環境で違う
- HSPは人が好きで心の深い部分で感情を共有するのが好き。一方でひとりの時間も必要。
- HSP気質と心の病気に直接的な関係はない。しかし、発症のきっかけになる特徴は十分持ち合わせている。
HSPは病気ではありません。自分の特徴を理解するきっかけとして使いましょう!