こちらは、ももかの個別相談コーナーです。
読者さんの質問や相談に、私の主観的な意見でお答えしていきます!
今回は、誰かの意見を聞くと自分の言葉で表現できなくなってしまうのは、語彙力が乏しいから?という内容です。
【本日のご相談内容】
最近特に悩んでいるのが、誰かの意見を聞いてしまうとそれ以外の言葉を見つけられなくなることです。
映画や本の感想を書きたくて、感じていることはあるのに言葉にできなかったり、誰かの感想を見てしまうとその言い回ししか思い付かなくなってしまったり。
面白い悲しいだけではなくて、もっと細かく感じていることを言葉にしたいのに、どう形にすればいいか分からないので、語彙力が乏しいせいかと思い、よりたくさんの本を読んだり辞書を読んでみたりしていたのですが、ブログを読んでそういうことではないのかも?と思い始めています。
ももかさんはそのような経験はありますか?
ご相談ありがとうございます!
私も同じような経験あります!
というより、私はもっと重症で「面白い」「悲しい」といった基本的な感情さえ、感じることができませんでした。
今では、だいぶ気持ちを言葉にして人に伝えることができるようになりました。
こうして、ブログを通して人の心に届く文章を書けるようになったのも、気持ちを言葉にする練習をしたからだと思います。
その経験を通して、私が導き出した答えをご紹介しますね。
自分の言葉を持つと傷つくことがわかっている
HSPの場合は、小さい頃に自分の意見を否定された経験が、心の傷として消えずに残っていることがあります。
「私の考えは人に受けいれてもらえないから言葉にしない」と思ってしまうんですね。
非HSPであればスグ忘れてしまうような些細なことも、ずっと覚えて心に刻むのです。
たとえば、
- 朝ごはんはパンではなくご飯がいいと言ったら「自分のことばっか考えて」と言われた
- 勉強がわからなくて「わかりません」と言ったら、「やる気がないだけでしょ」と言われた
- 仲良しの友達と同じオモチャが欲しいと言ったら、「あんなのが欲しいの?」と言われた
などなど。
非HSPがすぐ忘れることも、HSPは「自分が悪いことをしたから機嫌を損ねてしまった」と考えるんですね。
そして、相手の機嫌を損ねない方法として、自分の意見や感情に蓋をすることを覚えるんです。
自覚のあるなしに関わらず、自己主張をすると傷つくとわかっているので、意見や感情を言葉にすることを遠ざけようとします。
スポンジのように、どんどん情報や感情を吸収していくけど、自分の考えに自信がないので、流されやすくなります。
さらに、自己主張をすると傷つくことも学んでいるので、「嫌だ」「それは違う」「必要ない」と拒否することが苦手になるんですね。
相手の感情に波風を立てたくないという心理的なハードルと、共感力の高さという気質的な側面から、自分の気持ちを言葉にしづらい悩みにつながります。
語彙力と自己主張力は別物
今回の相談者さんは「映画や本の感想を書きたい」とのことでした。
人に伝わるように書くという観点から見ると、語彙力と自己主張能力は全く別物です。
語彙力を増やすことで、細かいニュアンスを使い分けることができる、いわば左脳的な技術です。
一方で、気持ちを人に伝える能力は、感情や気持ちをコントロールする右脳的な能力です。
だから、映画のあらすじをまとめる能力なら、語彙力や文章構成力を鍛えることで身につきます。
それに比べて、「映画が素晴らしくて、感動を伝えたい!私がこの映画のどこに惹かれて、どこに心を動かされたのか知ってほしい!」という気持ちの部分は、どれだけ語彙力を増やしても鍛えることができないのです。
情報を仕入れると自分の言葉を持つことができるのか
自分の気持ちをキャッチして言葉にするには、脳の全く別の機能をそれぞれ鍛える必要があります。
お金持ちの本を読んだ人が、必ずしもお金持ちになれないのと同じように。
本を読んで語彙力を増やすだけでは、コピーした誰かの意見が蓄積されるだけで、頭でっかちな情報屋さんになってしまいます。
私の個人的な意見ですが、自分の気持ちを言葉で表現できない悩みは、HSP特有のものだと感じます。
多くの人は、そもそも「気持ちを表現できていない気がする…」ということにさえ、気づかないのです。というか、気にしない。
口から出ているのが、「自分の言葉なのか?」「別の誰かの言葉なのか?」なんて、考えない人がほとんどです。
「今感じているのは、悲しいという言葉とは違う気がする…」という微妙な違いを気にするのは、HSPの豊かな感受性があるからです。
だからこそ、豊かな感性を持つ小説家は、人の心を動かす作品を生み出せるのだと思います。